目次
- 1. 1.相続税はいくらからかかる?
- 2. 2.相続税の計算方法をわかりやすく解説
- 3. 3.相続税の計算で重要な財産評価
- 4. 4.相続税を軽減できる制度と注意点
- 5. 5.相続税は税理士に相談すべき?
- 6. 1-1 相続税には「基礎控除」がある
- 7. 1-2 基礎控除を超えたら相続税がかかる
- 8. 2-1 相続税を計算する基本的な流れ
- 9. 2-2 相続税の税率と速算表
- 10. 3-1 預貯金・不動産・株式はどう評価する?
- 11. 3-2 小規模宅地等の特例で税額が変わることも
- 12. 4-1 配偶者の税額軽減とは?
- 13. 4-2 生前贈与や債務・葬式費用も相続税に影響する
- 14. 5-1 税理士に相談するメリット
- 15. 5-2 相続税に強い税理士を選ぶポイント
「相続税はいくらかかるの?」という疑問は、相続が発生した方にとって最も気になることの一つです。相続税は、相続した財産の総額だけで決まるわけではなく、基礎控除や法定相続人の数、財産の種類、配偶者の税額軽減などによって税額が変わります。そのため、預貯金や不動産などの財産を単純に合計するだけでは、正確な相続税を計算できません。この記事では、相続税の基本的な計算方法から、基礎控除、税率、税理士に相談するメリットまで、わかりやすく解説します。
2)目次
1.相続税はいくらからかかる?
- 1-1 相続税には「基礎控除」がある
- 1-2 基礎控除を超えたら相続税がかかる
2.相続税の計算方法をわかりやすく解説
- 2-1 相続税を計算する基本的な流れ
- 2-2 相続税の税率と速算表
3.相続税の計算で重要な財産評価
- 3-1 預貯金・不動産・株式はどう評価する?
- 3-2 小規模宅地等の特例で税額が変わることも
4.相続税を軽減できる制度と注意点
- 4-1 配偶者の税額軽減とは?
- 4-2 生前贈与や債務・葬式費用も相続税に影響する
5.相続税は税理士に相談すべき?
- 5-1 税理士に相談するメリット
- 5-2 相続税申告を依頼する税理士の選び方
1.相続税はいくらからかかる?
1-1 相続税には「基礎控除」がある
相続が発生したからといって、必ず相続税がかかるわけではありません。相続税には「基礎控除」があり、課税対象となる財産の金額が基礎控除額以下であれば、原則として相続税はかかりません。
相続税の基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。
例えば、法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人であれば、基礎控除額は4,800万円です。相続財産の課税価格が4,800万円以下であれば、原則として相続税は発生しません。
ただし、相続財産の金額を判断するときには注意が必要です。現金や預貯金だけでなく、土地・建物・株式・生命保険金なども一定のルールに基づいて評価する必要があります。
「財産が5,000万円あるから相続税がかかる」と単純に判断するのではなく、まず相続財産を正しく把握することが大切です。
1-2 基礎控除を超えたら相続税がかかる
相続税の課税対象となる財産が基礎控除額を超える場合には、相続税の申告・納税が必要になる可能性があります。
例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円です。相続財産の課税価格が6,000万円であれば、単純化すると基礎控除を超える1,200万円が課税遺産総額の計算の基礎となります。
ただし、ここからすぐに税率を掛ければ相続税が算出できるわけではありません。
相続税では、課税遺産総額を法定相続分で取得したものと仮定して各人の税額を計算し、それを合計した「相続税の総額」を算出します。その後、実際の遺産取得割合などに応じて各相続人の税額を計算します。
さらに、配偶者の税額軽減などを適用することで、最終的な納税額が変わる場合があります。
そのため、「相続財産が基礎控除を超えた=その金額に税率を掛ける」という計算ではないことを理解しておきましょう。
2.相続税の計算方法をわかりやすく解説
2-1 相続税を計算する基本的な流れ
相続税の計算は、大きく分けるといくつかの段階に分かれています。
まず、亡くなった方が所有していた現金・預貯金・不動産・株式などの財産を確認し、それぞれを相続税評価額に換算します。そこから、一定の債務や葬式費用などを差し引き、さらに相続税の計算上加算される財産などを考慮します。
次に、基礎控除額を差し引いて「課税遺産総額」を計算します。
その後、課税遺産総額を法定相続分で取得したものと仮定して、各法定相続人の税額を計算し、それを合計して「相続税の総額」を求めます。
最後に、実際に財産を取得した相続人ごとに税額を按分し、配偶者の税額軽減などの各種控除・加算を反映して、最終的な納税額を算出します。
このように、相続税は複数の計算過程を経て算出されます。自分で計算する場合は、財産評価や各種制度の適用要件にも注意が必要です。
2-2 相続税の税率と速算表
相続税の税率は、課税遺産総額そのものに一律で掛けるわけではありません。法定相続分に応じた取得金額をもとに、各法定相続人について税額を計算します。
相続税の税率は、法定相続分に応ずる取得金額が1,000万円以下の場合は10%、1,000万円超3,000万円以下は15%、3,000万円超5,000万円以下は20%、5,000万円超1億円以下は30%、1億円超2億円以下は40%、2億円超3億円以下は45%、3億円超6億円以下は50%、6億円超は55%です。
ただし、実際の計算では「速算表」を使用し、取得金額に税率を掛けたうえで、区分に応じた控除額を差し引きます。
ここで注意したいのは、「相続した財産が5,000万円だから20%」というように、実際に取得した財産額へ直接税率を掛けるわけではないことです。
相続人の人数や法定相続分、財産の内容によって計算結果が変わるため、正確な税額を知りたい場合は専門家への相談がおすすめです。
3.相続税の計算で重要な財産評価
3-1 預貯金・不動産・株式はどう評価する?
相続税を計算するときに重要になるのが「財産評価」です。
預貯金については、基本的には相続開始時点の残高などをもとに評価します。一方、土地や建物などの不動産は、相続税のルールに従って評価する必要があります。
特に土地は、路線価方式や倍率方式などによって評価することになり、土地の形状や利用状況などによって評価額が変わる場合があります。
また、上場株式についても、相続開始日の株価だけではなく、一定のルールに基づいて評価額を決定します。さらに、非上場株式は会社の規模や株主の状況などに応じて評価方法が異なるため、専門的な判断が必要になることがあります。
このように、相続財産の「金額」と相続税を計算するための「評価額」は、必ずしも同じではありません。
相続財産に不動産や株式が含まれている場合は、正確な評価を行うことが相続税額を計算するうえで非常に重要です。
3-2 小規模宅地等の特例で税額が変わることも
相続税の計算では、一定の要件を満たす場合に利用できる「小規模宅地等の特例」についても確認する必要があります。
小規模宅地等の特例とは、亡くなった方が住んでいた宅地などについて、一定の要件を満たす場合に、その土地の相続税評価額を大幅に減額できる制度です。
例えば、特定居住用宅地等に該当する場合、一定の面積までについて80%減額できる可能性があります。
ただし、誰が相続するのか、相続後にどのような状況になるのかなど、細かな適用要件があります。そのため、「自宅だから必ず80%減額できる」というわけではありません。
小規模宅地等の特例は、相続税額に大きな影響を与える可能性がある制度です。
適用できるかどうかの判断を誤ると、相続税の計算結果にも影響します。土地を相続する場合には、相続税に詳しい税理士に確認することをおすすめします。
4.相続税を軽減できる制度と注意点
4-1 配偶者の税額軽減とは?
相続税には、相続人の状況に応じて税負担を軽減できるさまざまな制度があります。その代表的なものが「配偶者の税額軽減」です。
配偶者の税額軽減は、配偶者が実際に取得した財産について、一定額まで相続税がかからない制度です。原則として、配偶者が取得した財産が「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか大きい金額までであれば、配偶者に相続税がかからない仕組みになっています。
ただし、この制度を利用すれば必ず家族全体の税負担が最小になるとは限りません。
一次相続で配偶者に財産を集中させることで相続税を抑えられても、将来その配偶者が亡くなった際の「二次相続」で、子どもなどの相続人に大きな税負担が発生する可能性があります。
そのため、目の前の相続税だけではなく、二次相続まで含めて財産の分け方を検討することが重要です。
4-2 生前贈与や債務・葬式費用も相続税に影響する
相続税を計算するときには、亡くなった時点で所有していた財産だけを確認すればよいとは限りません。
例えば、一定の生前贈与については、相続税の計算上、相続財産に加算する必要があります。また、亡くなった方が借入金などの債務を負っていた場合には、一定の要件を満たす債務を相続財産から控除できる場合があります。
さらに、葬式費用についても、一定のものは相続税の課税価格から控除することができます。
このように、相続税の計算では「プラスの財産」だけでなく、「マイナスの財産」や過去の贈与についても確認することが重要です。
特に、生前贈与については、贈与した時期や金額、誰に贈与したのかなどによって相続税への影響が変わることがあります。
相続税を正確に計算するためには、亡くなった方の財産だけでなく、過去のお金の動きについても整理しておきましょう。
5.相続税は税理士に相談すべき?
5-1 税理士に相談するメリット
相続税の計算は、基礎控除を確認するだけであれば比較的シンプルですが、実際の相続では土地や株式、生命保険、生前贈与など、さまざまな財産や制度を考慮する必要があります。
税理士に相談するメリットは、こうした複雑な財産評価や特例の適用について、専門家の視点から確認してもらえることです。
また、相続税申告には期限があるため、必要書類の収集や財産の整理、申告書の作成などを計画的に進める必要があります。
相続人自身ですべて対応する場合、時間的・精神的な負担が大きくなることもあります。税理士に依頼することで、相続税申告に必要な作業を整理し、申告までの手続きをサポートしてもらえます。
さらに、税理士によっては、司法書士や弁護士など他の専門家と連携し、相続に関するさまざまな問題に対応できる体制を整えている場合があります。
「相続税がかかるか分からない」という段階でも、まず税理士に相談することで、必要な対応を早めに把握できます。
5-2 相続税に強い税理士を選ぶポイント
相続税について税理士に相談する場合、どの税理士に依頼しても同じとは限りません。
税理士にはそれぞれ得意分野があり、法人税や所得税を中心に業務を行っている税理士もいれば、相続税申告を多く扱っている税理士もいます。
税理士を選ぶときは、まず相続税申告の実績を確認しましょう。特に、今回の相続と同じような土地や不動産、非上場株式などを扱った経験があるかどうかは重要です。
また、税理士報酬について、何が料金に含まれているのかを確認することも大切です。
さらに、「今回の相続税をいくらにするか」だけではなく、二次相続や将来の財産承継まで考えて提案してくれる税理士であれば、長期的な視点で相談できます。
相続は、単なる税金の手続きではありません。大切な財産を次の世代へ引き継ぐ機会でもあります。
だからこそ、税金だけを見るのではなく、家族の将来まで一緒に考えてくれる税理士を選ぶことが大切です。

